子どもの視力、ちゃんと見えていますか?~知っておきたい視力の発達と弱視~

テレビに極端に近づいて見る、絵本を顔の近くまで持ってくる、片眼を隠すと嫌がる…子育ての中で「うちの子、ちゃんと見えているのかな?」と疑問を感じることはありませんか。

生まれたばかりの赤ちゃんの視力はとても弱く、生後1か月頃で約0.03、1歳頃で約0.3~0.4、そして3歳頃になるとほぼ1.0に達すると報告されています(粟屋,1985)。つまり、子どもの「見る力」は生まれてから少しずつ育っていくものなのです。この発達には、両眼から明瞭な視覚情報が入ってくるという経験が欠かせません。乳幼児期に斜視や屈折異常などで十分な視覚刺激が得られない状態が続くと、視力の発達が妨げられ「弱視」につながることがあります。

弱視とは、視力が発達する時期に何らかの原因によって視覚の発達が妨げられ、十分な視力が育たない状態です。例えば、遠視や近視、乱視などの屈折異常や、左右の眼で見え方に差がある不同視、斜視などが視力の発達を妨げる原因になることがあります。特に、屈折異常弱視や不同視弱視は、普段の生活では気づきにくく、健診で発見されることも少なくありません。弱視の難しさは、子ども自身が「見えにくさ」に気づかない点にあります。たとえば片眼だけが見えにくくても、もう一方の眼で見えていれば不自由なく遊べてしまうため、本人も周囲も異常に気づかないケースが少なくありません。保護者が「いつも普通に生活しているから大丈夫」と思っていても、実は片方の眼の視力が十分に発達していないことがあります。

そこで早期発見の機会として重要になるのが「3歳児健診」です。3歳児にとって視力検査は集中が途切れたり片眼を隠すのを嫌がったりと簡単ではありませんが、「できなかったから仕方ない」と放置しないことが極めて大切です。弱視は早期に治療を始めるほど効果が得られやすいため(Holmes et al., 2010)、検査がうまくできなかった場合も、日を改めたり眼科へ相談したりして丁寧につなげていきましょう。「見えているようだから大丈夫」ではなく、視力がきちんと発達しているかを確認することが重要です。保護者の小さな気づきや健診での確認が、これから先の学習や生活を支える子どもの大切な「見る力」を守ることにつながります。

3歳児健診に関する情報を掲載しているサイト

引用文献

粟屋 忍:乳幼児の視力発達と弱視.眼臨,1985;79:1821〜1826.
Holmes JM, Lazar EL, Melia BM, Astle WF, Dagi LR, Donahue SP, Frazier MG, Hertle RW, Repka MX,& Quinn GE, Weise KK for the Pediatric Eye Disease Investigator Group. Effect of Age on Response to Amblyopia Treatment in Children. Arch Ophthalmol. 2011 Nov; 129(11): 1451–1457


視機能療法専攻
國武実里

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