介護状態でも暮らすための住宅改修

現在、日本の高齢化率は28.8%と推計されています。高齢化率の増加に伴い介護必要になる要介護者数も増加の一途をたどっています。75歳以上の31.8%の人が何らかの介護が必要な状態になっています。(図1-2-2-8)


※内閣府:令和3年版高齢社会白書。2:健康と福祉

厚生労働省によると「介護に要する時間」を調査した結果、約2割の家族介護者が「ほとんど終日」と回答しており要介護5では56.7%の家族介護者がほとんど終日と回答しています(図1-2-2-14)。また、親や配偶者の介護をするために仕事を辞めた人(介護離職者)は年間10万人に達しています(図1-2-2-15)。

内閣府は60歳以上を対象に、最後を迎えたい場所を調査した結果、約半数が自宅と回答しています。(図1-3-13)


https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2019/html/zenbun/s1_3_1_4.html

これらをまとめると、高齢化に伴い要介護高齢者は増加の一途をたどっており、在宅生活の破綻や家族の離職の要因となっています。しかし、在宅生活の継続を希望する者が多いのが現状です。つまり、要介護状態になっても暮らせる住宅づくりが重要な課題であると言えます。

現在、筆者は積水ハウス株式会社と協業し介護のしやすい住環境を考案しています。具体的には浴室やトイレの広さと間取りの位置や間口のスペースなどです。また、認知症対策として家のどこにいても居場所をわかりやすくするために、部屋と部屋の区切りを壁にするのではなく腰壁や格子等にすることを検討しています。生涯自宅で生活できる要介護高齢者を確保することを今後の展望として尽力しています。

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