疲れ目のこと

  • 大野 司能女
    視機能療法専攻

パソコンやスマートフォンを長時間使用している時、目の疲れを感じたことはありませんか?


  • 近くのものを見るときは毛様体筋が赤矢印方向に収縮することで、Zinn小帯を介して水晶体が青矢印方向に厚みを増す。
  • 私たちが近い距離でものを見る時、目ではピントを合わせるために、カメラのレンズのような働きを持つ「水晶体」の厚みが変化しています。この水晶体の厚みを変化させているのが毛様体筋という筋肉。遠くを見ている時はほとんど働かないのですが、近くのものをじっと見続けている時には、水晶体を厚くするためにこの筋肉がずっと働き続け、「疲れ目」という症状を自覚することになります。

  • 「スマホ老眼」という言葉を耳にするようになって久しいですが、これは至近距離でスマートフォンを見続けることによって毛様体筋が凝り固まり、ピント合わせが上手くできなくなってしまっている状態。この状態を放置すると、疲れ目にとどまらず、肩こりや頭痛、集中力の低下など、様々な全身症状を引き起こすこともあるので注意が必要です。

    また疲れ目は、こうした長時間の近業だけでなく目の乾燥が原因となることもあります。通常であれば目の表面は涙に覆われることで滑らかなレンズとしての働きをしていますが、目が乾燥しているとその表面は凸凹し、レンズとしての働きが不十分となるため、ものがぼけて見えます。そこで何とかピントを合わせようとして通常より毛様体筋を酷使することになるため、疲れが生じるというわけです。こうした症状を自覚したら、まずは眼科を受診して原因を特定することが大切です。


そのような訳で、疲れ目を予防するためには、近業作業中に定期的な休憩をとったり、目の乾燥に対して点眼薬を使用するなど、日頃から意識的に目を労わりましょう。

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