気分よく心地よい毎日を!(報酬系のはたらき)

私たちの日常行動には、大きく「報酬」が関わっています。報酬と聞くとお金を連想してしまいますが、この場合の報酬とは脳内にある神経グループを指します。この神経グループは「報酬系」と呼ばれ、「元気」や「やる気」の源になる「ドーパミン」という物質を放出します。


私たちが日常生活の中でなにかを選択したり行動したりしたとき、その結果が良ければドーパミンが放出され良い気分になります。期待したよりも良い結果だともっと良い気分になります。悪い結果だとドーパミンは放出されません。美味しそうなケーキを買って食べたところ、ものすごく美味しかったときと、期待外れでがっかりしたときを想像するとイメージしやすいのではないでしょうか。

私たちは最大の報酬が得られドーパミンの放出によって良い気分が持続するように、無意識に選択し合理的に行動しています。

報酬に対する満足度が、私たちの意思決定にどのように関わっているかについて、おもしろい研究があります。


ビールを飲んだ時の主観的な幸福感は、1杯目と比べて2杯目以降では徐々に下がっていくそうです。私たちは「報酬が最大になるよう合理的に行動する」はずなのですが、もしそうなら、幸福感が下がるのに2杯目を飲むような人はいませんね。残念ながら人間は合理的なばかりではないようで、この研究では「ヒトはしばしば非合理的な選択をする。」と報告しています。サルを使った実験の結果では、必ず餌を貰える条件を捨て、餌の量が増えるか餌が貰えないかという二者択一の条件を選ぶギャンブル行動が見られるときに報酬系の細胞が活動したと報告しています。不確実な結果を待つという状況が、人間だけでなく動物にも高揚感をもたらすことが分かります。


下の一覧表は、報酬系が活動するとされる身の回りの具体例と、今すぐに試せる活動の例です。
ほんの小さなことでも、ドキドキやワクワクがあれば良い気分になれるかもしれません。

身の回りの具体例 今すぐ試せる活動の例
なにかを期待して待っているとき 美味しいと評判の店でコロッケが揚がるのを待っているとき
日曜日のお出かけに、なにを着ていこうかと考えているとき
好きなチーム(選手)を応援しているとき
・予定を立てて、見えるところに書き込む
 (今週末、1か月後、3か月後、6か月後のこの日に〇〇をする、△△に行くなど)
・「推し」を作る
期待を上回るような,とても嬉しいことがあったとき サプライズでプレゼントを貰ったとき
思っていたよりもっと褒められたとき
予想を上回る成果があったとき
不確実なことの結果を待っているとき 宝くじを買ったとき
残り1つを賭けてのじゃんけん
恋の行方を気にしながらドラマを見ているとき
・コンビニで買うおにぎりの具をいつもと違うのにしてみる
・新商品が出たらとりあえず買ってみる
・いつも通らないところを通ってみる
・恋愛映画を見る
思考活動 問題を解いているとき
パズルに熱中しているとき
・推理小説を読む

小林 俊輔 報酬系とドパミン 神経心理学38 28-35 2022
報酬と罰の中枢神経機構 化学と生物Vol23,No6 p347-377
村田裕之 シルバー産業新聞 2019

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