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頸髄損傷者を授業の講師としてお招きしました

2023.05.11

理学療法専攻3年次の脳・神経系理学療法治療技術の授業に、講師として頸髄損傷者2名をお招きしました。お招きした講師は、頸髄損傷を受傷後も仕事をしながら、岐阜エクスプレス(車いすツインバスケットボール)の選手としてactiveに活動されています。

 

 

脊髄損傷は損傷高位によって機能残存が異なります。(※1) そのため、Zancolliの分類(※2)を用い機能残存レベルを確認しました。機能残存から残存筋の筋力や筋萎縮の程度、感覚障害の程度を評価しました。加えて、車いすからベッドへの移乗方法、ベッド上での移動動作も確認しました。

※1.損傷した脊髄の場所(首、胸、腰など)より下の各部分に、麻痺や筋力低下などさまざまな障害が発生します。
※2.手・指~肘~肩まわりの筋肉の機能に対応した脊髄の部位を細かく分類したものであり、主に頸髄損傷の部位を把握し、機能残存の程度を評価するために用いられています。

 

機能残存には左右差があるので、左右で検査する必要があります。感覚障害の程度も異なる場合があります。対象者によっては、温痛覚が消失し、触圧覚は残存している場合もあります。頸髄の損傷により、四肢麻痺となると普段の何気なくできている動作も方法が変わりますし、時間を要したりします。

 

今回は長下肢装具(※3)も持参いただき歩行器を使用した歩行動作や、ティルトテーブル(※4)を用いた起立訓練を見学しました。学生は講師に積極的に質問していましたし、講師からは丁寧な説明をしていただけました。
臨床の現場でも頸髄損傷の評価や理学療法を行う機会は多くはありませんので、頸髄損傷者への評価を行うことや訓練を見る体験はとても重要です。講師の方々にはお忙しい中、ご参加いただきありがとうございました。

※3.大腿部から足底までの装具で、膝と足の動きをコントロールします。立つ・歩く動作の安定・免荷・変形予防、矯正などの治療を目的として使用されます。
※4.ベッドから立つことができない患者に利用されます。踏み台の付いたテーブルで、患者を仰向けにして安全ベルトで固定します。固定後はテーブルを様々な傾斜で起立させ、立つ・歩くなどを行い筋力増強や訓練などに使用されます。